スタジオ-4として位置づけされている埼玉県戸田市のオフィス。西側はガラス張りで視界が開けていて、日曜日のお昼過ぎは夕方に向けて傾きかける太陽の光が明るく心地が良い。
優しい青空に、植物のグリーンと中央に設置された朱色のテーブルが映えていた。実はこのテーブル、エクス・アドメディアさんが工場から持ってきた廃材を建材用のパーティクルボードに生まれ変わらせてできたもの。
今回中村さんへ取材をした木村さんは、アップサイクルの魅力とは「自分の家にどうしても欲しくなるもの」、「欲しいというモチベーションが止まらなくなるもの」と言う。これまでのリサイクル商品のような仕方なさや、我慢を強いる必要がなく、かつそんなつまらない世界を若い世代に残すべきではない、と。
そんな木村さんはもちろん、取材に同行した皆が素敵だと感じたテーブルを囲い、中村さんへインタビューを試みた。オフィスを見渡すと、デスクワークに集中して取り組めそうな、半個室空間を生み出すパーティションとデスクを兼ねた作業台もある。
接合部材や化学的なものを使用しておらず、シンプルな見た目ながらも曲線的に加工されたサイドの部分からは温かさも感じる。組み立て式なので要望に応じて組み替えもできる。
それから、ベンチの高さほどで物が置けるテーブルもある。ネオングリーンのベルトで足となる部分の木材が縛られていて、全体的に無機質でナチュラルなオフィス空間に、楽しい色使いも目に入ってくる。
オフィスが新しくなった際、新しいものを買おうとはしなかった。
使い終わったあとの物を、どんなふうに生まれかわらせようかなと考える時間が楽しい。流通の上での過程を考え、循環させる。
そんな想いのコンセプトがしっかりと伝わってくるこのオフィスで、一体どんなお話が聞けるのかと胸を弾ませながら、中村さんご自身のお話からスタートする。
関連記事
- クリエイター
- イノベーター