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中村さんと室井さんが感じるアップサイクルの壁

フィーチャーゲストのご紹介

株式会社エクス・アドメディア
代表取締役社長
アップサイクル協会 準会員

中村俊宏様

「初めて手がけた舞台が終演したときには作り上げたものがゴミになってしまうと思うと涙が出た。例え、映像に残したとしても本物のステージとは違う。ただ、繰り返すうちに一つのステージが終わると、儚さ、そして快感に惚けるという感覚があったんです。」

中村さんと室井さんが感じるアップサイクルの壁-1

この感覚が中村さんが、この事業にコミットし続けている理由だ。だからこそ、一品ものの舞台装置の材料が使い回せるかどうかということも大切にしている。この想いに共感してくれるお客様に対して、使用した後の木材を提供したり、それらを利用した舞台作りを提案したりして、少しでもアップサイクルの可能性があることには率先して動いている。

例えば、埼玉県大宮市で開催されたイベントでは、ベトナムの建具廃材を輸入しそれらの多くを舞台装置の素材として使用した。傷がついていても安価で導入ができ、美術的にも良い。また、いわゆる産業廃棄物として扱われる、ダムを塞ぐ流木も内装として生き返らせた。

中村さんと室井さんが感じるアップサイクルの壁-2

他には、2022年開催の代々木公園でのベトナムフェスティバルでは、規格外で市場には回らないロスフラワーを使い、船を華やかに飾った。制作からイベントの終わりにかけて、花がドライフラワーになるその過程が楽しめ、イベントが終わると参加者にそれらを持ち帰ってもらうことができ好評だった。

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現在このような活動を進める一方で、経済活動主軸の中では、なかなか受け入れてもらえないことを問題提起している。ここからは、営業本部デザイン課課長の室井さんにもディスカッションに加わってもらう。

中村さんと室井さんが感じるアップサイクルの壁-6

まずは中古ということに対してあまり良いイメージを持たれないこと。次に、価値は感じてもらえても、企業にとってのメリットが見えづらく、費用対効果が現れにくい部分もあり、提案をしても承認フローが明確化されていないことだ。アップサイクルに向けた企業の様々な取り組みがある中、実際にはまだそれほど浸透していないように感じているという。まちづくりを提案しても、企画の価値をどのように評価したら良いかが分からず、そこに費用対効果として見出せないと終わってしまうこともしばしば。

このような課題感があるからこそ、アップサイクルは楽しいですよというやり方をしていきたいと語る中村さん。室井さんも交え、これからのエクス・アドメディアさんと社会へのビジョンについても語っていただく。

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