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「好きなことをする」ときに大切にすること

フィーチャーゲストのご紹介

株式会社ファストコムホールディングス

代表取締役社長 小林栄治様

田植えや稲刈りの体験を通じ、皆が同じ場所で米作りの大変さを感じるという「食育」。田んぼの面積として、4〜5人家族の1年分は一反(約1,000㎡)と言われる。企業誘致として地域貢献を目指しスタートしたソーシャルな活動だが、関わることでより一層「どうにかしていかないと」と、思いが強まった。

米農家は、究極の出来高性といっても過言ではない。その上、気候などで不作もあり安定しているとは言えない。情報化と多様化が進み、農家を営むおじいちゃん、おばあちゃん世代で「子供や孫にはして欲しくない。」「都会に行けば安定するから継がなくていい。」という方々が増えている。

そんな農家の課題解決を目指し、自社としても農業経営に携わる『UCHINOプロジェクト』を始動。ESGの観点を持って自然と共に生きる方法を選んでいくことで、衰退している日本の農業にアプローチする。

他には、畳職人とパートナーシップを結び、一定の長さを満たさないと破棄されてしまう井草を使用するコラボレーションプロジェクトがある。井草が持つ効果や、深く呼吸をしたくなる香りが活きる機能性インテリアの開発に取り組んでいる。

また、社内では、ものを無駄にしないための『もったいないプロジェクト』があり、冷蔵庫の中にあるものは残さないような仕組みもある。

建築建設業界でサービス提供をする子会社の株式会社建助さんでは、車のエアバッグからできた工具入れが使用されている。エアバッグ自体は安全装置なので再利用ができないが、使われている丈夫なナイロン素材と、円形を活かした袋に生まれ変わらせることでリサイクルを行なったプロダクトを扱うなど、アップサイクル意識も高めている。

リユースを意識し、加工費用が乗って多少値段が張っても、次に繋がる活動をしていくべきだという信念のもと、制服も100%再生ポリの生地を採用。再生のマークも取り入れることで意思表示をするロゴデザインになっている。

小林さんは「好きなことを我慢しない」ということを大切にする一方で、好きなことをするときに、環境に負荷がかかっていたり、何かが損なわれている可能性があるということにもしっかりと目を向けている。

ただ、環境へのダメージに気を遣って、好きなことを諦めるというのは違うのではないか。そういった損なわれる部分をしっかりと補っていくという気持ちを、やりたいことをするのと同じくらいの気持ちで、個人も社会も持てるような世の中を作っていければと語った。

こういったESG活動が多岐に渡るのも、決して独りよがりにはならず、好きなことをして、やりたいと想うことを実現しようとする小林さんの気持ちの表れでもある。

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