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大西さんに聞いた10のこと(後編)

フィーチャーゲストのご紹介

Photographer

大西 基 様

◼︎近年の活動

昨年、スタジオをオープンしました。最近5年はアイドルを撮ることが多いです。俳優や企業経営者も撮影します。表情の引き出し方は、上手く説明するのが意外と難しいですが、「お互いのテレパシー」だと感じます。

カメラを前に自分を表現するのが上手な方、存在感を出す方もいれば、ポーズを取るのが苦手な方もいる。

カメラマンは受け身として撮ったほうが良い写真になると思っています。

◼︎大西さんが撮影に対して思うこと

若い頃は、被写体の方を怒らせてしまったり、時にはフィーリングが合わなかったり。

不本意な撮影に終わってしまうこともありました。

今は、撮影する対象の方と年齢差が開いているとより親心のような気持ちを抱きます。

◼︎撮影する時の雰囲気作り

カメラマンは緊張します。でも、緊張感を出すと相手も緊張してしまう。

カメラマンを続けて、緊張していないように見せる術を身につけました。

リラックスできる雰囲気作りと、リラックスしてもらうには信用してもらうことが大事です。

深追いしすぎず、撮影のジャンルや対象によって声のかけ方や、コミュニケーションの取り方を変えています。

◼︎アップサイクル・マガジンの撮影で心掛けていること

基本はフィーチャーゲストさんの笑顔ですが、時に見せる真剣な顔も。

バリエーションを持たせつつ良い表情のカットを抑えます。写真なんだけども、動きがあるようなものも心掛けています。

◼︎写真が持つアップサイクル的側面

これまで写真は雑誌を中心に発表していました。

ただ、雑誌はいずれ捨てられてしまうもの。

一方で、写真のネガはずっと残っています。

現代は、Photoshopなどのソフトが発展しているので、フィルムをスキャンして加工することもできるのは、アップサイクルだと言えますね。

当時よりも綺麗で品質の良い写真ができるし、たとえばそのバンド写真を見た人がミュージシャンに対して興味を持って、サブスクに登録したり、CDを持ったりすることもあります。

時代を越えて、そんなきっかけを与えるのが写真です。

 

大西さん自身は主張することなく、むしろ控えめでさまざまなカットを抑えてくださいます。

でも、存在感がありつつ安心できるのは、これまで数々の人物を撮影してきたカメラマンとしての確かなキャリアと、対象者との関わりの中でブラッシュアップしてこられた大西さんがまとう雰囲気なんだと感じました。

2024年6月には、写真展『夢うつつの日々 1987年バンドブーム前夜』が四谷のギャラリーヨクトで開かれていました。

懐かしく感じる人もそうでない人も、傑作の1枚1枚を観ていると、それぞれのバンドメンバーの表情や、大西さんの想い、その当時の熱量が伝わってくるような個展です。

アーティスト達が生きた瞬間を、数十年経った今でも見ることができます。

最後に、今回の展示会に関して若い世代へ向けたメッセージをいただきました。

「今10代や20代の方が聴いている音楽の元になった、彼らが影響を受けたミュージシャン達。

私は、そういう時代にたまたまいて沢山写真を撮ってきました。

現役の先輩ミュージシャンに興味を持って過去に遡ってみてもらえたら嬉しいです。」

普段は一緒に取材をさせていただく側なので、大西さんからお話をお伺いするのは新鮮な気持ちでした。

今回は取材に応じていただきまして、ありがとうございました!

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